目次
気分障害って何?うつ病にも種類がある
先に、もっとも大切な言葉を書いておきますね。
「うつ病は必ず治ります」
うつを治した私が言うのだから立証済みですし、医学でも証明されていることなのは気休めでも励ましでもない事実です。
「いつも暗くて元気がない」または「急に意味もなく元気になって、突然元気がなくなり、人に対して些細なことで攻撃的になる」
こんな場合は、うつ病の可能性があります。
私も昔、重度のうつ病になったことがあるのですが、本人は判断が難しく、他者から見たら「迷惑で付き合いづらい人」になってしまう場合もありますよね。
大切な人がうつ病かもしれない場合、どうにか回復してほしいと願い自分にできることを探すのではないでしょうか。
こういった心の病について知っておくことは、自分も含め大切な人をいずれ守れる事にもつながっていきます。
気分障害には「うつ病(常に落ち込んでいる状態)」と「躁うつ病(以上に明るい状態と落ち込みを周期的に繰り返す)」物があるのですが、どちらも発症要因としては遺伝的素因が関係していることが明らかになっています。
しかし、遺伝要因だけが原因ではないという理論もあり、発症要因は様々です。
もちろん目に見える原因であれば改善は可能ですよね。
「これ」という事実がない場合は、原因よりも解決策を探すほうが建設的だと思います。
落ち込んでいる状態を「抗うつ状態」と呼び、意味もなく自信に溢れ気分の高揚が見られるものを「躁状態」と呼ぶのですが、具体的な症状として下記のような症状をあげますね。
抗うつ状態
【感情】
抗うつ気分が基本的であり、特にきっかけはなく、あるいは些細なきっかけで憂鬱状態となる。「さみしい」「不安だ」「何も楽しくない」「どうしたら良いかわからない」といった訴えをし、約半数が朝に悪く夕方に良くなる。
【意欲、行動】
意欲は低下し、やる気も起こらず1つの動作にとても時間がかかる。重度になると無言や無動となる。
【思考】
何事にも悲観的になり、自己評価が低下し劣等感を持つ。自分が過去に大きな罪を犯したこと、自分は貧困だという妄想、重大な病にかかっているなどの不安。の3つの症状が出る。この3つは高齢者に多い。
【身体症状】
不眠で特に早期覚醒。食欲、性欲の低下、体重減少、頭痛、肩こり便秘など。
【自殺】
うつ患者の3分の2は自殺願望を持ち、10%〜15%が自殺する。
躁状態
気分障害の8割が抗うつ状態を繰り返す「うつ病(常に落ち込んでいる状態)」であり、「躁うつ病(以上に明るい状態と落ち込みを周期的に繰り返す)」は少ないと言われています。
「精神的ストレス(焦り、緊張)」「身体的ストレス(身体的疲労、身体的病気の発症)」「社会的要因((社会風潮、秩序など)」のいずれかの要因によって発症します。
マイナスの出来事だけではなく昇進や結婚、出産や事業拡大などの新たな責任などでも発症要因となるのです。
嬉しい出来事でも大きな変化で、心が風邪を引いてしまうこともあるなんて驚きですよね。
また、うつ病になりやすい性格というのがあります。
【うつ病になりやすい性格】
・執着性格(几帳面、徹底的に集中する)
・メランコリー親和型性格(秩序指向性、他者配慮の強い性格)
つまり几帳面で責任感が強く他者を思いやる気持ちが強い人がなりやすいのですね。
人間誰しもが、いつかかるかわからない病気と言えます。
今回は2種類あり、うつ病の中でも、抗うつ気分(常に落ち込んでいる状態)の説明と治療についてお話していきたいと思います。
うつ病の治療と対応。
気分障害では「薬物療法」「精神療法」「環境調整」の3つのアプローチが大切です。
【薬物療法】
うつ病ではSSRI・SNRI、三環系と呼ばれる、不眠、食欲不振、不安、抗うつ感、気分の低下に有効なお薬が有効なんだ。
しかし効果がハッキリ現れるまでに2週間〜4週間かかるため、その間は注意が必要。
妄想状態がある場合は、向精神薬の併用が必要な場合もあります。
抗うつ剤による治療は症状軽快後も、6ヶ月は継続する必要があるのです。
ちなみに向精神薬と抗精神薬とでは違いがあり、向精神薬の中の種類として抗精神薬があるということをご知っておいてほしいと思います。
というのも、向精神薬は明るいイメージのお薬であり、抗精神薬か感情を抑える不快な物質であるという認識を持っている方がいらっしゃるということを知ったからです。
再発防止のためと、離脱症状が強いことから向精神薬は徐々に服薬を減らしていくことが必要になりますよ。
躁うつ病の場合、気分の変動の制御のために気分安定薬が使われるのですが、元々はてんかんの薬であったバルプロ酸とカルバマゼピンの仕様において、いずれも適正な血中濃度を保つ必要があるので定期的な血液検査が必要になります。
これらの薬で不十分な場合は、複数の薬剤の使用に変えたり、重度の場合には鎮静のために抗精神薬剤を使用する場合もあります。
【精神療法】
初期においては、上記の説明と共に
・病気であることの説明。
・休息の必要性。(うつ病の治療において最も重要とされています。)
私の時もそうだったのだけど、自分しか金銭的に頼るこのがない場合働かないということへの不安、生活ができなくなることへの不安、からなかなか休暇に踏み込めない場合も多々ありますよね。
その場合は、国の制度に頼ることや家族の支援に頼ることもできます。
区役所などに行くと教えてもらえたり、電話でも聞くことができるから聞いてみてくださいね。
【症状が良くなるまでやってはいけないNG行動】
・症状が良くなるまで、重要な決定は危険なためしないこと。
これは、精神が不安定な状態だと自分の意志ではなく人に左右されやすくなったり、誤った判断に陥りやすいからなのです。
・援助者が励ましたり元気づけるような対応はしないこと。
「励ましてはいけない」の本当の意味ですが、例えば胃腸が弱っている人にステーキのような脂っこいものを「頑張って食べて!」と励ますような内容を指します。
しかし、胃腸が弱っている時におかゆが食べられうように「頑張って」と励ますことは素晴らしいことです。
うつになてしまう人は、真面目な性格の方が大半を占めます。
なので「仕事に行けていない・・」「いい結果を出せない・・」などで苦しんでいることも多く、そんな時に「休んでいいんだよ」と励まして休養を取るように仕向けることは、むしろするべき行為です。
危険な励ましとは、先にも述べましたが、胃腸の弱っている人に油ものを食べさせたり、無理やり仕事に行かせるような励まし方なのですね。
また、うつ病を繰り返す場合には、その環境的因子や、ストレスとなる根本の問題の解決をすることが大切。
否定的な認知の歪みを改善することも必要になります。
一人で抱えないで、相談できる人に支えてもらって早く良くなってくださいね。
ここからは、気分障害の予後について書いていきますね。
気分障害の予後。
うつ病に関して一度のうつ病を経験した後の再発率は、非常に高く50〜70%が5年以内に再発を経験するとされています。
絶望させたいんじゃなくて、事実しての数字を知っておくことで再発防止へと心をシフトできたらいいなと思います。
はじめての治療で、1年以内に50%が回復するとされています。
しかし15〜20%の患者が慢性化すると言われているのです。
また10%〜15%が躁うつ病に発展すると言われており、長期的に見ると自殺のリスクが高くなります。
このようなデータを見ても、回復したと思っても長くうまく付き合いながら徐々に本当の回復に向けていく。という気持ちや、支援者も一緒になって理解をして支えることが必要ですよね。
自分が支援者の立場の場合「励ます」「認知的療法を進める」などというのは、実は危険な行為です。
なぜかというと、うつ病になる人の特徴として「真面目」なことが特徴なので、元気が無いことや認知的に動けない自分を責めてしまうことになり、病状が更に悪化してしまうからなのです。
しかし自殺の危険がある場合、自殺についての話題を避ける必要はありません。
意外ですよね?
「自殺したいと思っている?」
この質問は、思いやりの言葉としての認識の方が強く感じます。
そんな言葉を直球でかけてくれる人が居なかったから、悪化してしまったのかもしれません。
鬱になって、しんどそうにしている人といるのはしんどいですか?
であれば、専門医に任せることがお互いにとって大切です。
冷たいんじゃなくて、自分も辛いのに人のこと支えることって出来ないのは当然です。
素人判断での言動は、取り返しのつかない事になりかねないのもあります。
でも大切な人が鬱になってしまったら、面倒な気持ちよりも「どうにかして自殺を阻止して回復してほしい」と出来ることを探しませんか?
その気持から自然と「死にたいと思ってる?」その言葉は必然であり、自殺を防ぐ言葉でもあります。
むしろ「自分を理解してくれている」という安心感をもってもらえますし、真面目な性格上「次に会うときまで死なないと約束してほしい」という約束は守ってくれるという特徴があるのです。
今回は現実的な内容が多く読んでいて辛くなる部分もあったかもしれませんが、うつ病は再発はしても必ず治せる病気です。
私の中で「体の風邪」と同じく「心の風邪」も、心の栄養をきちんと取って心の休暇を取れば治るものだと思います。
鬱になってしまったら、あなたの心が「疲れているから休ませてよ!」と言っているのではないでしょうか?
「心の風邪」そう理解して私がその証拠に治っていますし、うつ病という大きな精神的病を乗り越えると、ものすごくメンタルが強くなります。
この世界には、心無い言葉をかける人もいっぱいいますよね。
でも、考えてみてください。
その人は、「色々な出来事に、向きあって悩んで苦しんで人を傷つけないように生きてるあなたより、人としてまともな人ですか?」
それともう一つ
「あなたをその人は心から大切に愛してくれている人ですか?」
私は、この世界の人が全てあなたの敵になっても、こう断言します。
「あなたより未熟だから、あなたを傷つけるようなことを言った。だから真面目に受け止めず、あなたを心から愛してくれる人の言葉に耳を傾けてほしい。今そういう人が運悪くいないのなら、もうひとりの自分という親友を作って、その人の声に耳を傾けてほしい。それすらも今は難しいのならかならず治るという私や医師の言葉を辛くなったら思い出してほしい」
わたしは、自分がたった一人で誰も信じられないと思ったと時に自分を自分の親友にしました。
馬鹿げているでしょうか?
誰に理解されなくても、自分の親友になることで誰よりも自分を優先出来る時もあるのです。
人には、平等に価値を持ち、能力に関係なく皆と同じ生活をして、自分の幸福を得る権利があります。
「うつ病は必ず治る」ということを忘れないでくださいね。
いい?
絶対に「うつ病は必ず治せる。今は休ませてって心が言っている」ということを忘れないで。